区分
有償依頼
背景
バーチャルYouTuber文化の隆盛により、いわゆる二次元キャラクターを個人や小規模事業者が制作していく事例が増えた。
キャラクター制作には、キャラクターメイキングができるVカツやVRoid Studioなどのソフトウェアを使用する方法と、イラストレーターにフルオーダーメイドで制作を依頼する方法がある。
それぞれの手法に一長一短あり、キャラクタークリエイト用のソフトウェアは、簡易的に一定以上のクオリティの制作が可能であるものの、服や小物、体型などに制約があるものが多く、また絵柄を好みのものにするのが難しいという問題があった。
また、フルオーダーメイドのキャラクターデザインでは、顧客が要望を伝え、それを絵師がイラストにおこし、顧客がそれを元にイメージを膨らませながらさらに要望を伝えて修正を加えていくプロセスが一般的であり、これにはプロフェッショナルな知識や技術が必要だり、双方の負担が大きかった。
そこで、個人でも簡単に、これらの手法のいいとこ取りを目指し、自分好みのキャラクターデザインをこだわりながら制作するための新しいワークフローのプロセスを実験した。
概要
まずは大まかなキャラメイクをVカツで行った。
依頼者にキャラデザの方向性をヒアリングしたあと、目のパターンや顔の輪郭、髪型など10パターン以上を用意し、依頼者に最もイメージに近いものを選んでもらった。
一般的な手法の場合はラフ案が増えるごとに工数が増えていくため、この手法を採用することでコストを抑えながら十分な数のデザイン提案が実現し、依頼者の高い満足度につながった。
この手法はキャラクターデザインの段階では「画力」を必要としないため、イラストレーターではなくアートディレクターやプロデューサーなどが制作に関与しやすいこともメリットである。
使用ソフト
Vカツ / V-Katsu
CLIP STUDIO PAINT / Photoshop
Live2D Cubism 4.1
依頼イラストレーター
九十九にぃね @tsukumonine